自由が丘駅から歩いて数分の住宅街。緑に囲まれた住宅からにぎやかな声が聞こえてきます。
このお宅が『シェア奥沢』です。
主催しているのは、同じ敷地の母屋にお住まいで多摩美術大学の教授、堀内正弘さんです。
この場所はもともとお爺さまの隠居部屋で、その後長い間空家でした。開放するきっかけとなったのは、教え子から「自分たちで片付けるので、アトリエとして貸してほしい」という申し出があったからです。
その後、他にも利用したいという人たちが、協力しながら修繕や庭の手入れなどをおこない、1933(昭和8)年築の和風住宅が素敵なコワーキングスペースとして生まれ変りました。
2013年7月にオープンし、現在は複数の登録団体の活動の場として、またクラシック音楽の演奏会、地域の方の専門知識を生かした講演、映画鑑賞会などが開催され、同じ興味を持った人たちの交流の場のシェアスペースへと発展しています。
サロンコンサートは若手の演奏家にとって、お手軽にリサイタルのできる場となっています。
ご近所やfacebookで知った方など、約20名が演奏に聞き入っていました。
まだ、残暑が厳しいこの日は『クールシェアランチの会』を開催。『食』をとおした交流の場として、毎回大人気です。
おしゃれな模様が施された竹は熊本のアーティストから借りたそうです。「なるべく買わない、特にたまにしか使わないものは借りたり、作ったりして済ませます」と、堀内さん。
約30人ほどの参加者の中には流しそうめん初体験者も多く、流れてくるそうめんを必死にすくって口へ運ぶ姿が見られました。
お子さんを連れて参加していた女性は、「流しそうめんは家ではできないし、子どもも大勢の大人と一緒にごはんが食べられて楽しそう。近所にこんな空間があってよかった」と話されていました。
揚げたてのてんぷらも登場!
参加者が手分けをして準備をしました。
広い庭から涼しい風が吹いてきます。
まさしくクールシェアのひとときです。
「シェアには対価がつきもの。でもそれはお金でなくてもよいのです。余裕のある物・空間・知識・文化・喜びをおすそ分けする。これからもできる範囲で地域に貢献する、顔の見えるコミュニティ活動を続けていきたい」と、堀内さん自らも楽しんで参加している姿が印象的でした。
これからも『シェア』を知りたい、実践したい、参加したい人々が集まる地域のコミュニティスペースとして『シェア奥沢』の多様な取組みが期待されます。
地図
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