『シェアリングエコノミー』という概念をご存知でしょうか?世の中で余っているモノ、ヒト、スペースなどを必要としている人に提供し、みんなで共有するサービスで経済を発展させる仕組みです。
これにいち早く目をつけ、空いているスペースを短期間だけ借りたい人に仲介するサービスを始めた女性が目黒区内にいます。
軒先株式会社の代表取締役の西浦明子さんです。ご自身は出産を機に当時勤めていた会社を退社、その後海外の雑貨を個人輸入し、ネット販売をする準備をしていました。その商品をテスト販売してみるため、貸し店舗を探してみましたが、なかなか条件が合わず困っていたそうです。
店舗を構えるにはまだまだ敷居が高い状況。もう少し気軽に借りられるところはないか?同じように困っている人がいるのでは?西浦社長はこれをビジネスにできないかと思いついたのがこの事業の始まりでした。
初めは場所を提供してくれるところを一軒一軒探して回ったそうです。定休日の店舗の店先や空きマンションの一室、日中空いている駐車スペースなど、次第に貸してくれるところが増えました。
定休日の店先を借りて野菜の販売
利用者の側も、趣味を生かした手作り品の販売、ヨガ教室、週末だけのエステサロン、企業の販促活動、移動販売車、など多様です。特に女性に人気なのは、おしゃれ感の高い自由が丘の空きスペースだそうです。
人気のスポット!自由が丘での移動販売
こうして2009年に会社を設立。目黒から始まったスキマ探しは現在全国へ広がっています。特に最近ニーズが高いのが、パーキングの利用です。
レジャー施設やイベント会場へ車で出かけたいが、駐車場に入るのに時間がかかる、近くにコインパーキングがないなど、駐車場を確保するのがむずかしい現状があります。そんなときにあらかじめ個人のお宅や会社の空いているパーキングを予約して利用できるシステムです。事前決済なのでトラブルもないそうで、これからまだまだ需要と供給が増えていくサービスだそうです。
観光地近くで個人宅の駐車場を利用。予約をしておくので安心して出かけられます。
西浦社長は「利用者がテスト販売に手ごたえを感じ、店舗経営に踏み出し成功しているのを見るとうれしいし励みになる。これからももったいないスキマを探して有効活用する手助けをしていきたい」と、話されました。