山手通りから一本入った静かな路地に建つビルで緑豊かな屋上ガーデンを手がけている山口進一さんのお宅に伺いました。
屋上で育てていらっしゃる植物は約30種類! ハーブ、野菜、多肉植物、果物、お花、水草など多種多様です。実はこのほとんどが屋上に溜まった雨水を利用し、育てているのです。
屋上緑化を数十年おこなってきた山口さんは、そこから得ることがたくさんあったそうです。
- 植物を育てていると季節を実感できるし、生活が豊かになる
- 植物はケアしてあげないと枯れてしまったり病害虫に浸食されたりするので、水をあげて変化を観察するといったケアが毎日の習慣になる
- いきものに日光と水は大切な要素!
- 植物があると、昆虫、鳥、小動物などが集まってくる
- 日向ぼっこはもちろんのこと、夏の打ち水も気持ちがいい
- ペット達もこの庭が大好きになってきた
しかし、夏場にこれだけの植物の水遣りをするのは大変です。そこで、屋上に溜まった雨水をただ排水に流さずにこれを利用できないか考えました。
目黒区で「雨水流出抑制施設等設置」の助成をおこなっていることを知り、さっそく申請したそうです。こうして2016年に屋上に200リットルの雨水タンク、地上階には浸透枡と300リットルの雨水タンクの設置が完成しました。
現在は屋上の水遣りと水槽の水はほとんどが雨水タンクでまかなえています。特に水槽に使う水は水道水の場合、塩素やカルキを抜いてからでないと使用できなかったのが、雨水にしてからはそのまますぐに利用でき助かっています。
また、山口さんは「金魚は鑑賞していて楽しいですが、水槽のボウフラなどを食べてくれるので、水を利用する上で重要なアイテムです」と、自然のしくみも観察できることを話してくれました。
雨水は他にも夏場は打ち水に利用することで、ヒートアイランド現象の緩和に役立ち、災害時には生活用水として活用できます。
山口さんはご近所のお宅が雨水を雨どいから、ただ排水に流しているのを見るともったいない、と感じるそうです。
これからは自分の楽しみだけでなく、雨水利用についてもっと周りの人に興味をもってもらい、自分の活動を紹介したり勉強会などを開催したいと考えています。
山口さんはfacebookでお屋上ガーデンの日々の記録を公開しています。 こちらをご覧ください。
めぐろスマートライフでは他にも雨水を利用している方を紹介しています。「雨水利用で循環型エコライフを!」
山口さんも利用した目黒区の「雨水流出抑制施設等設置」の助成についてはこちらを