■つるし飾りの由来とは・・・
つるし飾りの風習は全国でも珍しく、静岡県では「雛のつるし飾り」、福岡県では「さげもん」、山形県では「傘福」と呼ばれています。
これらの地域には歴史的な背景や由来・文献等の残るゆかりの地となっており、併せて「全国三大吊るし飾り」として親しまれています。
起源は江戸時代末期ではないかと言われ、女の子が生まれると子の厄を身代わりに引き受けてもらうものとして雛人形を飾る風習がありました。
当時、雛人形は高価で、庶民にはなかなか手の届かないものでしたので、雛祭りの際、雛人形の代わりに、幸せや成長を願う親たちが、はぎれなどで小さな人形に願いを込めて作り、様々なモチーフを繋げたのが「つるし飾り」の始まりとされています。
■つるし飾りのモチーフには意味があります。
飾りのモチーフには動物や花、遊び道具、野菜など様々な云われがあり、今年の干支の「犬」は安産や子宝を願うなど意味があります。
■目黒区エコプラザでは・・・
毎月第3木曜日、活動室で「古布deつるし飾り」の講座を開催しています。
着なくなった衣類や端切れを活かして、味わいのある手のひらサイズのモチーフを毎回1つ作ります。
作品はすべて手縫いです。
講座のお申込みは毎月1日より電話で受け付けしています。
申込み・問い合わせ先:目黒区エコプラザ
電話:03-5721-2300(日・祝/休館)
■何でもつくり隊「古布deつるし飾り」の濱田先生にお話しを伺いました。
吊るし飾りに出会ったきっかけは、親の介護からわずかな時間でも解放されたいと思い始めました。気晴らし、憂さ晴らしなどありましたが、可愛らしい作品によって自分が微笑むことや家族を癒しと感謝のエネルギーで包み込むこともでき、生活に張りができました。すべての行動が前向きになりました。思い出深い作品は、「猿っ子」の帯をご主人のネクタイで作ったところ、家族で会話が弾んだことでした。
本来、雛人形は着物などの絹地で作りますが、ここの講座ではご自宅にある「余り布」で制作しています。ときにはエコプラザのリサイクルショップで布を調達することもありますよ。
布地によっては表情が異なりますので、気持ちを込めて、一針ひと針丁寧に縫うと愛着が湧くと思います。柔らかな雰囲気と温かみを持つインテリアとして、皆さんの感性や布地の思い出などが形になり楽しいと思います。
私はこの地で14年活動してきました。これからも、地元目黒を中心に皆さんや大切な人の喜ぶ顔を思い浮かべ、また、先人の思いを伝える伝承飾りを作り続けていきたいと思っています。
参考:つるしびな大百科