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食品ロスを減らしたい!

食品ロスは身近な場所で起きている

開店時の店内。一度に入店できる人数は、店内の買い物かごの数で制限しています
開店時の店内。一度に入店できる人数は、店内の買い物かごの数で制限しています

身近な環境問題なのにあまり話題にならないなぁと思っているもののひとつに「食品ロス問題」があります。食品関係のお店で働く方に聞くと、いつでも買えるように品ぞろえを欠かさないことが優先され、結果として売れ残りが発生、そして廃棄! ということが当たり前のように行われているとか。我が国では家庭から約247万t、事業者から約275万t、合わせて年間約522万t(※)もの食品が廃棄されているそうです。

 

驚くような数字ですが、廃棄間近の食品のみを販売するお店があり、期限直前の肉、乳製品、野菜、果物などをリーズナブルな価格で購入できると聞き、訪ねてみました。

 

※令和2年・農水省推

食品のマイナス価値をプラスに変える

店主の山中善昭さん。開店準備のお忙しい時間にもかかわらず、仕事にかける気持や夢を熱く語ってくださいました
店主の山中善昭さん。開店準備のお忙しい時間にもかかわらず、仕事にかける気持や夢を熱く語ってくださいました
開店準備中のスタッフ。入荷する品物、量は日によって変動します
開店準備中のスタッフ。入荷する品物、量は日によって変動します

そのお店は目黒区からも近い世田谷区野沢にあるiiMaquet(アイアイマーケット)です。オーナーの山中善昭さんは、百貨店やネット通販などのさまざまな仕事に携わり、事業利益の一部を社会貢献事業に充ててきました。けれども「利益の一部を貢献に回すのではなく、事業そのものが社会貢献にならないか?」と考えるようになりました。

 

 

「4年ほど前、大量の食品廃棄物があるのだが、もったいないので何とかならないかという相談を受けたのをきっかけに、現在の事業を思いつきました。こうした食品は廃棄すれば費用がかかるマイナス価値のものですが、これを適正価格で買い取り、適正な値段で販売しています」

 

 

お店に並んだ商品を見ると、価格はおおむね市価の半額くらいでした。山中さんはマイナス価値をプラスに変え、廃棄間近の食品を救う。業績をアップすればするほど社会問題の解決に繋がるような仕事と出会ったのです。昨年の商品取扱量はおよそ300t、年間300tの食品ロスを削減したことになります。



食品ロスの現実をもっと知ってもらいたい

ワークショップの先生はインターンシップの高校生。親子で熱心に話を聞いています
ワークショップの先生はインターンシップの高校生。親子で熱心に話を聞いています

ところで、実際このお店に来る方は食品ロス問題についてどのくらい意識されているのでしょうか。

「食品ロスについての理解は進んできたようですが、理解と行動には隔たりがあると感じています。食品廃棄の実情、食品ロス削減の取り組みをもっと知ってもらいたいと、店で親子ワークショップを開催したり、情報発信もしています」(山中さん)

 

お話を伺っているうちに開店時間となり、店の前には行列が出来ていました。多くの人にもっともっと食品ロス問題を意識してもらえるように、これからも山中さんの活動は続きます。

 

 

iiMaquet(アイアイマーケット)

【住所】世田谷区野沢2-31-3(1号店)、世田谷区野沢3-31-1(2号店)

【営業時間】

1号店:火・木・土曜日のみ13時~19時30分

2号店:月曜日17時~20時、火曜日~土曜日10時~20時、日曜日10時から14時

※ 営業時間、品ぞろえは変動するため、毎日、Line公式アカウントでお知らせしています。

 

 『iiMquet(アイアイマーケット)』 (iimaquet.com)