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自由が丘で受け継がれてきた「藍染め」

実践わたし流!! 投稿者:BTY

 

藍印花布のコレクター・研究者として知られた伯母の久保マサさんから「藍印花布わたなべ」を継いだ福原梨花さん
藍印花布のコレクター・研究者として知られた伯母の久保マサさんから「藍印花布わたなべ」を継いだ福原梨花さん

目黒区美術館区民ギャラリーで開催の「藍印花布の世界-祈りを込める藍の美」(7月30日~8月4日)に行ってきました。

 

藍染めは青と白の2色で表現され、絞りや型染めなどで多彩な文様が刻まれています。藍染めをするときはたくさんの水を使いますが、藍(タデ科の植物)は化学染料と違い、川や土壌を汚染することはありません。シルクや麻、綿などを美しく染め上げる藍染めは、サステナブルな伝統工芸として、今、再び脚光を浴びています。

 

藍印花布わたなべ」の福原梨花さんは、藍染めの魅力を多くの人に知ってほしいとこの展覧会を主催しました。

「藍印花布わたなべ」は1972年に自由が丘で開業、中国の伝統的な型染「藍印花布」をはじめ、藍染めを日本に普及させた老舗として知られていました。残念ながらコロナ禍でお店は閉じてしまいましたが、現在はワークショップを開催するなどで、藍染めの魅力を伝えています。

 

1950年ごろに作られた藍印花布。素材は麻で夏の寝具などに使われていました。藍には防虫効果もあります
1950年ごろに作られた藍印花布。素材は麻で夏の寝具などに使われていました。藍には防虫効果もあります
中国の伝統的な藍染めに使われる版木。文様は「百子図」という子孫繁栄を願うもの
中国の伝統的な藍染めに使われる版木。文様は「百子図」という子孫繁栄を願うもの
中国にルーツを持ち日本で学んだ徐素平さんの作品も展示。独自の搾り技法で注目されています
中国にルーツを持ち日本で学んだ徐素平さんの作品も展示。独自の搾り技法で注目されています

 

「藍染めは使うほど味が出てきて、年を経るごとに魅了が増し、長く使えるものです。昔の暮らしは、ものは少なかったけど豊かだった気がします。今はものにあふれていてリサイクルすればいいという人もいますが、何か違う気がします」と福原さんはものを大切にする心も藍染めと共に伝えたいと考えています。

 

確かに私たちが生活に使うものは、いつの間にか大量生産された安価で手軽に手に入るものに置き換わってしまいましたが、丁寧に染め上げられた数々の藍染めを見ていると、いいものを長く使い続けることの大切さも伝わってきました。