搾りかすも貴重な資源。堆肥化して野菜や果物を育てる
コールドプレスは、素材に熱を加えず生のまま(コールド)、強い圧力をかけて(プレス)水分を搾り出し、酵素やビタミンなどの熱に弱い栄養素を損なうことなく抽出できるのが特徴です。1杯(400ml)のジュースには約1~1.5㎏もの野菜や果物が使われるといいます。
恵比寿にある「サンシャインジュース」は、2014年に日本で初めてコールドプレスジュース専門店としてオープンしました。代表のコウさんは、アメリカでコールドプレスジュースを飲んだとき、細胞が目覚めるような感覚に衝撃を受けたそうです。
「その頃は本格的に持久系スポーツをしていて、そのパフォーマンスにも良い影響がありました。野菜のパワーを取り込むのに最も効果的と考え、これを伝えたい!というところから始めました」
創業当初からジュースの搾りかすをアップサイクルしてカレーやスープにしたり、染料に使ったりしています。それでも使い切れない搾りかすは自然に還し循環させたいという思いから、堆肥づくりに取り組みました。
「無駄にしたくなくて、三重県に堆肥づくりのスペシャリストがいるのを知り、訪ねて行きその方法を教わりました。ジュースの材料を提供してくれる農家さんに声をかけ、今は3軒の農家さんが搾りかすでつくった堆肥で有機栽培をしています。農家さんには野菜を納品に来たときに搾りかすを持って帰ってもらい、堆肥にして野菜を育てて、その野菜をコールドプレスジュースにしています」
規格外の野菜や果物をジュースにして、畑の廃棄も削減
野菜や果物は形や見た目が悪かったり、規格に合わないという理由で、流通に乗らずに廃棄されてしまうものもあります。
「ジュースにするなら、質がよければ見た目などは関係ありません。流通に乗らない野菜や果物を積極的に使用しています」とコウさん。サンシャインジュースでは畑の食品ロス削減にも取り組んでいます。
気になるジュースのお味は? 私が飲んだのは、きゅうり、ズッキーニ、夏みかん、ヘチマなどをブレンドしたジュース。夏が旬の野菜や果物には、むくみがちな体の巡りをよくする効果があり、飲んだ瞬間、さわやかでみずみずしいエネルギーが体にしみわたるようでした。
■サンシャインジュースのエコな取り組み
・クリーンエネルギーで走る「ジュース・カー」で産地へ
使用済み天ぷら油のリサイクル燃料で走る車で産地を訪ね、ルーフに搭載したソーラーパネルから供給される電力でジュースマシンを動かし、その土地で育った新鮮な野菜や果物をその場でジュースにするイベントも行っている。京都や高知へ遠征することもある。
・ジュースはガラス瓶で提供
2021年にプラスチックボトルを廃止し、店頭売りのジュースはガラス瓶で提供。ガラス瓶は返却すれば50円のキャッシュバック、自身のマイボトルを持参した場合は50円のディスカウントをしている。
サンシャインジュース
〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1丁目5-8 初鹿野ビル 電話番号:03-6277-3122
営業時間:月火木金日 11:00~18:00 / 水土 12:00~17:00