2020年11月8日(日)駒場野公園の大池で行われている「かいぼり」を取材してきました。かいぼり(掻い掘り)は、もともと農業用のため池などで、農作業が一段落した冬場に水を抜いて、底にたまったドロなどを掻き出したり、土手を補修したりすることでした。
最近は、池の水質改善や外来生物の駆除など、おもに生態系の回復を目的に行われているようです。
昨年大池の一部だけ試験的にかいぼりが行われましたが、今回は本格的なかいぼりの実施です。大池の水底には木の葉やドロがたまって浅くなり、水量や水質が低下しました。また、外来種生物の侵入もみられ、水辺のいきものの生育環境が悪化していました。準備のため池の水を抜く作業が1週間ほど前から行われましたが、投棄されたと思われる金属の箱やバイクの部品などたくさんのごみもあったそうです。
この日中心となる作業は、いきものの捕獲です。捕獲したいきものは種類や数を調べ、外来種と在来種をより分けます。捕獲作業には、18名のボランティアの方が参加されました。普段から駒場野公園の雑木林の手入れや水辺環境の整備などを行われている地域ボランティアの人たちです。
池の底にたまったドロの中での作業は重労働です。場所によってはひざ上まであるドロに足を取られ自身も泥まみれになりながら、メダカやモツゴ、カメやエビ類などさまざまな種類のいきものを泥の中から手や網ですくい取ります。捕獲は午前午後と続きました。
今回のかいぼりは、ボランティアの人たちが大活躍されました。大池の環境を守るという目的のために参加された人たちです。かいぼりには多くの子どもたちも見学に来ていましたが、さて、ドロまみれで作業をする人たちの姿を見て、子どもたちはどう思ったでしょうか。捕獲されたメダカやモツゴが水槽の中でキラキラ輝いて泳ぐ姿を見つめていた子どもは、何を感じたでしょうか。
環境を守るのは、一人ひとりの気持ちと行動だと、改めて感じさせてくれた「駒場野公園大池のかいぼり」でした。
※大池では来年1月末頃まで、池底のドロさらいや天日干しの作業が行われます。
池の水を戻すまで、かいぼりで捕獲されたいきものが公園内の「自然観察舎」で展示される予定です。
目黒区立駒場野公園 京王井の頭線駒場東大前駅下車徒歩1分
(問い合わせ)目黒区都市整備部みどり土木政策課みどりの係 03-5722-9355