我が家の庭に剪定した太い枝が置いてあります。最近これにキノコがたくさん発生してきました。また、近ごろ毒キノコが身近に発生しているというニュースも見ます。なんと触っただけでも危ないものもあるとか。季節もちょうど秋でキノコがにわかにブームです。
そんな時に駒場野公園で里山体験などを行う駒場野自然クラブの「キノコ発見隊」という活動があるというので取材させていただきました。活動はキノコの専門家である大舘一夫先生が定期的に駒場野公園・駒場公園で行なっている調査に同行し観察をするものです。
当日はあいにくの雨で駒場野自然クラブの観察は延期となりましたが、先生の調査は実施されました。結構強い雨が降る中、先生や仲間の方々の後について駒場野公園の中を進みます。さすがに皆さん専門だけあって、あっという間に何種類ものキノコを見つけ採取していきます。
見つけたキノコたち
今度は駒場公園へ。雨でびしょびしょですが、濡れているおかげでベッコウタケがつやつやと色鮮やかに見えます。公園の桜にこのきのこが着いているのを見て先生が「この木も数年で枯れるな」とぽつんとおっしゃったのが印象的でした。両方の公園をくまなく歩きまわり、すっかり濡れたところで駒場野公園の自然観察舎へ。ここで採取してきたキノコを観察分類していきます。
キノコ調査
この日にそれぞれ2つの公園で採取されたキノコはナラタケモドキ、ヒイロタケ、ハリガネオチバタケ、クジラタケ、カワラタケ、ベッコウタケ、フクロツルタケなど33種類でした。
採集中に聞いた「生きている木にキノコが発生すると数年以内に枯れてしまう」という話は衝撃でしたが、キノコが木を枯らすのも長い時間で見れば自然生態系のコントロールという役割だという説明に納得させられました。キノコは、枯れ木や枯れ葉を分解し土に戻したりする物質循環の役割を果たしていますが、特定の樹種が多くなり過ぎないように間引きしたりする役割も生態系の中で果たしていたのですね。キノコは森の健康を維持する大事な要素であることがよくわかりました。
ちょっと注意してみると街中の公園や街路樹、民家の庭などにもひっそりと息づいています、これからは木の根元なども注意してみると新たな自然観察の楽しみが増えますね。
でも、キノコの判定はかなり難しいということで、専門知識のある方以外はむやみに触らないことが大事だそうです。なお、今回の観察会では毒キノコは見つかりませんでした。ちなみに我が家のキノコは「カワラタケ」でした。
駒場野公園自然観察舎
webサイト:https://www.city.meguro.tokyo.jp/smph/kurashi/sports_koen_yoka/koen/omoshiro/shizen.html