目黒川は区内に残された貴重な水辺。春の桜も有名ですが、洪水とか悪臭というイメージもあります。
そんな目黒川で現地を見ながら学習する「目黒川ってどんな川?」というイベント(主催:目黒区花とみどりの学習館)があったので、同行取材させていただきました。
目黒川って自然の川なの?
コンクリートの水路のような目黒川も元々自然の川。昔、周辺農業の灌漑用水になったり、水車を回したり、水運にも使われました。その過程の中で直線的に改修されたりコンクリートで固められたりと変遷をたどり今の姿に。
目黒川の水はどこからくるの?
目黒川は三宿の東仲橋付近から東京湾まで約8キロ、船入場までは海の満ち引きに影響され水深が上下します。現在流れている水は新宿区にある「落合水処理センター」の下水処理水が大部分です。また河床からの湧き水や地下施設(高速道路・地下鉄)の漏出水などもあります。
船入場ってなに?
もともとは水運利用時に船を着けたところ、現在は広場の下が「調節池」という地下施設になっていて、大雨の時には雨水を一時貯めることにより洪水を防ぐ役割を担っています。
船入場付近は 海水が上がってくるのでボラやスズキなどの魚やカニ、そして水鳥もやってきます。今回もたくさんの鳥が見られました。予想以上に自然がいっぱい!
不思議な穴の秘密?
橋の下などに大きな穴が見えます。この穴は雨がたくさん降って下水管で処理できないときに川へ放流するためのものです。ここから雨水と汚水が混ざった下水があふれて、それが悪臭の原因となるそうです。
河川環境を改善するために!
川の環境を守るために区や都では、川床の泥を浚渫(しゅんせつ)をしたり近く浄化装置も設置するそうです(※)。また、雨天時に下水があふれないように一時貯める施設を作ったり、雨水を地面にしみこませる透水性舗装をおこなったりしているそうです。
(※)詳しくは目黒区みどり土木政策課HP「目黒川における水質浄化対策の進め方」
川について感じたこと
川を見ながら、水辺という小さな自然が私たちにも、鳥や魚にも安らぎの場所だということを改めて感じました。目黒川は人間の都合でいろいろと改変を受けたり、人間が原因の汚染なのに汚いなどと言われちょっと可哀そう。それでも健気に私たちに貴重な自然環境を提供してくれています。この環境を守るため私たちに何ができるか?小さなことでも行動したいですね。
目黒川をもっと詳しく知りたい方→目黒区HP「歴史を訪ねて 目黒の川1目黒川」