大きな地球儀でおなじみの「日本科学未来館」へ
日本科学未来館は、先端の科学技術に触れ、体験できる施設として2001年に開館しました。以来さまざまな展示等が行われていますが、昨年11月には「プラネタリー・クライシス ーこれからもこの地球でくらすために」が新常設され、地球環境を学ぶ展示がさらに充実したとのこと。そこで、未来の地球を担う年代の小学4年生・ハルト君とお母さんに、地球環境を知り考えるために「未来逆算思考」と「プラネタリー・クライシス ーこれからもこの地球でくらすために」を体験してもらいました。
50年後の地球に暮らす子孫のために私たちがすべきことは?
「未来逆算思考」は50年後の子孫たちにどんな地球を届けるか、ゲーム形式で体験する展示です。理想の地球を受け継いでいくために何をするか、多くの課題を乗り越え、理想の地球をゴールまで届ける体験を通して、必要な科学技術やライフスタイルを未来から逆算することでこれからすべき行動が見えてくるというものです。
自分が子孫に届けたい地球を選び、50年後までの時系列を観察し、阻害要因などを見極めて現在から未来へのコースを作ります。ところが現在からは未来には見えない部分もありコース取りは大変。コースが決まったら早速出発。ハルト君が選んだのは「エネルギーで豊かな暮らしができる地球」です。
さあ!未来へ向かって出発。途中で「無知」とか「欲望」が襲いかかります。「文化の進歩」とか「科学の進歩」で補いながら進みますが、32年後の2056年でゲームオーバー! お母さんも挑戦しましたが50年後まで地球は持続しませんでした。
地球について親子で考える大切な時間
終わってから親子で話し合い。「現在から未来が見通せない仕掛けになっていて、未来の視点から得られた情報を生かして50年後に地球を届ける道筋を考えるのが画期的だった」ということでした。
ゲーム後にモニターに映し出された50年後の子孫からご先祖様(私たち)へのお願いや専門の先生方からのメッセージは、ハルト君にはちょっと難しかったかもしれませんが、お母さんは理想の未来のために私たちの生活を見直す必要があると感じ「子どもと共有できたことも多いので、これを生かして一緒に考えていけたらいいな」と思ったそうです。
続いて私たちが引き起こしているさまざまな環境問題の現状を知る展示「プラネタリー・クライシス ーこれからもこの地球でくらすために」を体験しました。地球環境の今を没入感のある映像で見た後、環境問題の現状、原因、今後取るべき行動など暮らしの中での取り組みについて分かりやすい展示で体験しました。
今まさに気候変動の影響を受けているフィジー共和国の人々の暮らしを映像と音・振動・熱から体感する臨場感あふれる映像展示でした。
二酸化炭素発生量とか海面上昇などを五感を使って感じるとても分かりやすい展示があります。ハルト君は海面上昇で自分が水に沈む展示に興味津々。
今年も暑い夏が始まります。年々暑くなる地球が心配です。これから先も地球で生活していく子供たちが自ら発見し、より良い未来を創造していくために、多くの若い世代の皆さんに体験し考えてもらえるといいですね。もちろん今に責任がある大人たちもね!
なお日本科学未来館にはほかにもロボットや宇宙ステーションなどの展示もたくさんあります。もうすぐ夏休み、お台場で海風を感じながら、未来を垣間見る1日にしてみたらいかがでしょうか。
■information
日本科学未来館
〒135-0064 東京都江東区青海2丁目3番6号
開館時間:10:00~17:00(入場券の購入および受付は16:30まで)
休館日:火曜日、年末年始(12月28日~1月1日)
※祝日、春・夏・冬休み期間中は火曜も開館