実践わたし流!! 投稿者:ecoライフライター 阿多田 海蔵さん
「自然とのつながりを感じられる一冊」として講談社の「ブルーバックス 日本列島100万年史」を紹介します。
タイトル通りに日本列島の成り立ちを100万年のスケールで紹介している本です。章ごとに各地方の解説になっていて、東北地方の章では「三内丸山遺跡と縄文海進」として下記が紹介されています。
・「青森でクリが栽培されていたことが出土したクリのDNA解析でわかっ た」
DNAのばらつきが少なく人為的に植えられたと考えられる
・「現在の青森市街の大部分は海だった」
貝の化石を含む粘土層がある
現在のクリの産地(出荷量)※(1)は、茨城県:23%、熊本県:20%、愛媛県:9%などの温暖な地方であることから、当時の青森の気候が想像できます。
※(1)クリの産地 出展:政府統計の総合窓口e-Stat
令和元年産の結果樹 面積・収穫量・出荷量の都道府県順位(上位5位)
この時代は、目黒区近辺まで海水が浸入していて、それを示す史跡が池尻大橋駅近くの東山貝塚です。ここは、河口(東品川海上公園)から約7Km、徒歩で90分の場所です。実際に歩いてみると、かつて海だったとは思えない距離ですが、貝塚の存在は、現在は海抜15.6mの大橋郵便局※(2)の近くまで、目黒川が入江になっていたことを示しています。
※(2)大橋郵便局の海抜 出展:国土地理院地図
貝塚から出土する貝の種類によって、気候変動を知ることができ、徐々に海面が低くなったことを知ることができます。
かつて大自然が起こした気候変動を、ヒトの活動(二酸化炭素の排出)でも起こしてしまうことに驚きを感じました。コロナ禍で旅行ができない中、この本で自然の大きさを感じながら“タイムトラベル”はいかがでしょうか。