機能、デザイン、環境、どれも妥協しない製品を!
昨年度のグッドデザイン賞を受賞した『NuLAND<ニューランド>』は、環境にも子どもの身体にも負荷をかけないランドセルとして注目を集めています。『NuLAND』を製作した合同会社RANAOS代表の岡本直子さんに、開発に至る経緯とその思いをお聞きしました。
「きっかけは長男が小学生になって、勉強道具でいっぱいの重いランドセルに悪戦苦闘していたことです。その時『通学にランドセル』というのは、単なる『思い込み』ではないかと気づいたのです。もっと軽い普通のリュックでもいいし、選択肢は一つではないのです」
今の小学生は、分厚い教科書やノートに加え、タブレット、水筒、鍵やパスケースなども持ち歩きます。とにかく荷物が多く、文部科学省は子どもの携行品が重すぎることは発達に影響が生じかねないと、全国の教育委員会などに重量に配慮するように通知を出しています。
「ママ向けwebメディアに携わっていましたので、既成の製品で良いものがあれば紹介しようと思ったのです。ところがなかなか見つからない、では作ってしまおうと考えたのが最初です」
新しい通学バッグを作ろうと決意した岡本さんが心掛けたのは、機能、デザイン、環境、どれも妥協しないこと。延べ8000人以上のママや子どもたちを対象にアンケートを行い、試作品を何度も作っては意見を聞きながら、布製のランドセルを作り上げました。
ランドセル選びを通じて、親子で環境の視点を!
デザインは「ランドセルらしいフォルム」を大切にし、素材は軽量かつ環境に配慮した素材として、再生ポリエステルの「RENU ®(レニュー)」を使用しています。「RENU ®」は古着や生産時に出た残反や裁断くず(生地)を原料に、繊維から繊維へリサイクルした素材です。
「SDGsに対する意識の高いヨーロッパでは、原料や処分方法、リサイクルの可否なども、機能やデザインと並んで商品選びの大切な要素となります。ランドセル選びというのは、親子でこれから始まる学校生活を思い、背負いやすさ、色やディテールも吟味しながら選ぶものです。その時に親子で環境の視点も持ち、『NuLAND』を選択肢の一つにしてもらえたら、というのが私の願いです」
岡本さんはご自身もママであるという経験から『NuLAND』の開発に取り組まれたわけですが、製品を世に出すにあたって、環境についても妥協しないというお話は、これからのモノづくりの在り方も示しているように感じました。
NuLAND<ニューランド>
サイズはMとL(目安身長140cm~)の2サイズ、買い換えや中高生や大人の需要にも対応している。カラーはブラック、レッド、キャメル、ネイビー、ピンクを展開。代官山サロン(予約制)では、実物の展示とフィッティングも行っています。詳細はHPでご確認ください
代官山サロン
渋谷区代官山町17-4 代官山アドレス プロムナード2F