年間約75万トンの衣服が家庭から手放され、その7割(約50万トン)が「手間や労力がかからない」という理由で『ごみ』として出されています。手放す前に『アップサイクル』してみませんか。アップサイクルとは、もともとの形状・特徴などを活かしつつ古くなったもの・不要となったものを捨てずに、新しいアイデアを加えて別のものに生まれ変わらせることです。製品をそのまま活かすため、リサイクル時に発生するエネルギーやコストを抑え、環境への負荷を減らすことができます。
アップサイクルの一つ『さき織り』を体験
目黒区エコプラザでは、毎月定期的に古着、古布等をアップサイクルする活動を行っています。今回はそのうちの一つ、さき織りを体験し、コースターを作成したのでご紹介します。
まずは『さき布』を作ります。さき布は、着なくなった衣服・古くなったシーツやカーテン・タンスに眠っていたハギレなどさまざまなものから作ることができます。
端から約1cmのところに切れ込みを入れ、勢いよく裂きます。端のきわ1cmほどを残して、その下約1cmのところに切れ込みを入れて裂く、これを繰り返し長いひも状にしていきます。
コンパクトな織機(おりき)には『たて糸』が張ってあります。シャトル(杼・ひ)にさき布を巻き付け 『よこ糸』にして織っていきます。上下に分かれたたて糸の間を、シャトルを左へくぐらせ、そうこうを手前に引いて形を整える、次はシャトルを右へくぐらせ、そうこうを手前にひいて形を整えます。これを繰り返すと、さき布は新たな布へと生まれ変わっていきます。
15cmほど織ったら、端の処理をしてコースターの完成です。完成した時の嬉しさはひとしおで、大切に使おうと強く思いました。
経験者の方は、織った布を利用してかばんや小物入れなどを作っているそうです。
さき織りだけではない『さき布』の活用法
織機がなくても、さき布を活用できます。ほんの一例でしかありませんが、さき布を手で編んでロープ状にし、ミシンや手縫いで円形に縫い付けてマットに生まれ変わらせたり、かぎ針で丸く編みコースターにしたり、タッセルを作りボタンと組み合わせてアクセサリーにすることもできます。創造力を生かしたアップサイクルを楽しんでみませんか。
忘れてはいけない『買わないという選択肢』と『大切に着ること』
環境省によると1年間で衣服を手放す枚数よりも購入枚数の方が多く、1年間一度も着られていない衣服が1人あたり25着もあるそうです。また、手元にある衣服をもう1年長く着れば、日本全体で約4万トンの廃棄削減につながるとのことです。
衣服を購入する際には、本当に必要なものか自問し『買わないという選択肢』を持つことも重要になってきます。さらに、手入れをきちんと行い大切にすることで、衣服の寿命を延ばすことができます。手をかけ愛着の湧いた衣服を、簡単に『ごみ』として手放すことも減ってくるはずです。
目黒区エコプラザでのアップサイクル活動
目黒区エコプラザでは、エコ de 何でもつくり隊がアップサイクル等の活動を行っています。今回体験したさき織り以外にも参加できる活動がありますので、ご興味のある方は詳細を目黒区エコプラザまでお問合せください。
※新型コロナウイルス感染症拡大防止対策等のため、中止となる場合があります。
目黒区エコプラザ(外部リンク)
◆毛糸deボランティア 毎月第1火曜日
残り毛糸でひざ掛けを編み、福祉施設等に贈ります。
◆布で遊ぼう『古布 de小物作り』 毎月第2火曜日
古布やはぎれを活かしてパッチワークや小物を作っています。
◆布ぞうり・さき織りサークル
『古布deさき織り』 毎月第3火曜日
『エコ布ぞうり』 毎月第4火曜日
古着や古布を裂いて糸にし、織り機を使って小物を作ったり、古布を活かして、ぞうりを編みます。
◆もめんむすび『つくりなおしカフェ』 毎月第1・4木曜日
着なくなった衣類を、普段着としてもう一度着られるようにリメイクします。