駒場野公園の「冬越しの生きもの探し」に参加したら、驚きの里山ツアーでした
駒場野公園で開かれた「冬越しの生きもの探し」に参加しました。
「冬は他の季節に比べて地味かもしれないけれど、多くの生きものがちゃんと生きています」という駒場野公園自然観察舎の岡本解説員の案内で、まず探したのはシイタケを育てた後の「ほだ木」です。すっかり柔らかくなったほだ木は簡単に手で崩れます。
早速現れたのはウスバカミキリの幼虫。そしてキイロスズメバチです。スズメバチは成虫のまま朽木の中で冬を越します。他にもシロアリやミミズなどがいました。
次に見つけたのはカマキリのタマゴです。笹の葉の下なので、まず気が付かないでしょう。でも、一度自然を見る目が出来た子どもたちはすぐに見つけます。
次は葉を落とした大きなエノキ。ここで岡本解説員から、外来種についての話がありました。エノキにつく蝶としてゴマダラチョウがありますが、外来種のアカボシゴマダラもいるそうです。フカフカの落ち葉を探すと、確かにそれぞれの幼虫が見つかりました。身近な公園にも外来種が進出しているのです。
さて、公園の一画に不思議な木がありました。クヌギの切り株から新しい幹が生えているのです。こうして木を切ることで日当たりを良くしているという説明がありました。里山の自然はこうして人の手が入ることで維持されているのです。切られた木は、様々な生きものの食べ物や住処となり土にかえります。公園でもホダギにしたり柵などを作ったりして利用していました。
切り倒された丸太をひっくり返してみましょう。すると子供たちに大人気のカブトムシの幼虫が何匹も見つかりました。幼虫は丸太の下の腐葉土を餌に冬を越すのです。
こうして公園内の一画を歩くだけで里山の自然と生きものの営み、そして外来種についても学ぶことのできた「驚きの里山ツアー」が終了しました。
最後に解説員の岡本さんに心掛けていることなど聞いてみました。
「子どもは虫の名前などよく知っていたりしますが、その答え合わせにならないようにしています。それよりも、周囲の自然に目を向け、多様な生態系がある事に気づけるようにと思って話をしています」
確かに、都会の公園でも、里山を切り取ったような自然があり、多くのことを学ぶ事ができた充実の催しでした。