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DXにより、食品ロスの削減に取り組むスーパーマーケット

DXとは?

デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略語。デジタル技術によってビジネスや社会、生活スタイルを変えること。

 

大量の惣菜が並ぶスーパーマーケット。惣菜類は消費期限が短い商品
大量の惣菜が並ぶスーパーマーケット。惣菜類は消費期限が短い商品

売れ残ったお惣菜類は廃棄されやすい

ある日の夕方、近所のスーパーマーケットに行くと、大量のお弁当に値引きシールが貼られていました。値引きをしても消費期限内に売れなければ廃棄されてしまいます。全国スーパーマーケット協会の調査によると、廃棄率が最も高い食品は日持ちのしないお弁当やサラダ、揚げ物などの惣菜類です。

 

東急沿線を中心に87店舗を展開する東急ストアでは、デジタル技術を活用して惣菜類の食品ロスを軽減するシステムを導入しています。どのような経緯で導入したのか、山口修平さん(デジタルマーケティング部)にお話を伺いました。

「お客様の来店数は、天候、曜日、時間帯、お店の立地などによって変わります。これまでは決まった時間になると、消費期限が近いものを値引きしていました。一律の値引きが無駄な廃棄につながっているのではないかと考え、AIを活用してシステムを開発することにしました。

まず、店舗にどれだけの商品があるのかをリアルタイム在庫管理システムで把握します。天候や曜日、残りの営業時間などの情報から客数や売れ数をAIにより予測し、値引き対象の商品があった場合は、商品ごとに値引きするタイミングやパーセンテージを最適化して、店舗に指示を送ります」

AIを活用した需要予測をタブレットで確認
AIを活用した需要予測をタブレットで確認
対象商品に値引きシールを貼付
対象商品に値引きシールを貼付
値引きした商品は早く購入してもらうため、てまえに陳列
値引きした商品は早く購入してもらうため、てまえに陳列

昨年の11~12月に30店舗を対象に行ったシステムの実証実験で効果を確認し、2022年3月には全店に導入。導入後6か月で削減した総菜の廃棄量は、695kgになります。

食品ロス削減には消費者の協力も必要

東急ストア中目黒本店
東急ストア中目黒本店

DXによる食品ロス削減の取り組みは、店舗スタッフの負担も軽減しています。東急ストア中目黒本店の青山店長は、その効果を実感しています。

「従来は値引きのタイミングやパーセンテージは担当者の経験や勘で行っていましたが、今は単品ごとに発注数が管理され、値引きのタイミングのお知らせが専用タブレットに来ますので、指示に従って値引きシールを貼っています。適切に在庫管理することで、総菜は作り立てのものを供給することができ、ロス率も下がっています。お客様にお願いしたいことは、商品の「てまえどり」にご協力いただくことです」

 

お弁当やお惣菜は、手前に陳列されているものから「てまえどり」をする。スーパーマーケットにおける食品ロスの削減は、お店側だけでなく、私たち消費者の協力も不可欠です。