窓のリフォームで断熱性能を向上
年々、夏の暑さが厳しくなっています。家の中の気温も上がり、室内で熱中症になることも。原因の一つは家の断熱性能が低いことです。日本の断熱基準は20年以上大きく変わっておらず「夏は暑く、冬は寒い家」がたくさんあります。
実は我が家、夏はとても暑いのです。どうすればしのぎやすくなるのか、家の断熱性能を上げるにはどんな方法があるのか知るため、東京都建築士会目黒支部と目黒区住宅課が共催する「住まいづくり教室」に参加しました。
家の中で、熱の出入りが最も多いのは「窓」などの開口部で、夏は約7割の熱が窓から室内に入り、冬は約6割の熱が窓から逃げていきます。確かに我が家は西向きの大きな窓があり、午後になると熱伝導率の高いアルミ製のサッシは触れないほど熱くなります。
講師の石田琢視さんは「既存住宅を暑さ寒さから守るのに最も効果があるのが『窓』の断熱性能を上げること」と言います。サッシに熱伝導率の低い樹脂を、ガラスは複層ガラスや真空ガラスなどを使用し、リフォーム工事は「壁を壊さずに既存の枠に一回り小さい窓を取り付けるカバー工法」「既存の窓の内側に新たな窓を設置(二重窓)」などがあるそうです。
また、南面の窓は冬場に太陽熱を取り入れ、東面と西面は夏場の太陽熱を防ぐことが有効で、複層ガラスも南面は日射取得型を東面と西面は日射遮蔽型との使い分けをするとよいそうです。
暑い日差しを防ぐ「遮熱カーテン」
リフォーム工事までしなくても、カーテンなどで窓の断熱効果を上げることはできないか。自由が丘のカーテン専門店「ルドファン」の砂村雅則さんに教えていただきました。
「最近は遮熱、断熱効果のあるカーテン生地がたくさん出ています。特殊繊維を使用したもの、コーティング加工したもの、UVカットや遮音などの複数の機能を備えたものもありますので、希望の用途に合わせて生地を選び、オーダーすることができます」
さらに今使っているレースカーテンに後付けできる遮熱カーテン(裏地)もあるとのこと。こちらはレースカーテンにフックで取り付けます。極細の糸が使われているため室内が暗くなることもなく、普通のレースカーテンに比べ、遮熱効果は4倍との実験データもあります。
その他にも、熱伝導率が低い「木製のブラインド」や断熱効果が高い「ハニカムブラインド」など、窓辺の対策には選択肢がたくさんあり効果も期待できます。我が家のカーテンを見直す必要がありそうです。
「窓断熱」で家の断熱性能が高まれば、冷暖房効率が上がりエネルギーの使用量を削減でき、地球温暖化対策になります。また、夏の熱中症、冬のヒートショックなどのリスクが軽減でき、健康で快適に暮らせる家にもつながります。
■住宅の断熱リフォーム助成
窓の断熱リフォームは環境省の「先進的窓リノベ2024事業」や目黒区の「目黒区住宅リフォーム資金助成」の対象になります。詳細はホームページをご覧ください。
環境省
https://window-renovation2024.env.go.jp/
目黒区 https://www.city.meguro.tokyo.jp/juutaku/kurashi/sumai/rifoumu.html